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2019年03月26日

教育講演 脳卒中 神経学会近畿地方会




脳卒中急性期の病態と治療 大阪市立大学神経内科 伊藤義影教授 
(1)超急性期ではTPAによる血栓溶解療法の適応を見極めることが重要で、発症から治療開始までの時間は4.5時間と制限がある。結果は治療が早いほど良好で出血合併症も少ない。発症時間が正確に分からない時、例えばWake-up strokeでは何とか適応を拡大するためにMRIでdiffusionで病変が検出されflareで所見(4.5時間後から出てくる)が無いか僅かであれば適応と考えて良いと思われる。
(2)急性期の血管内治療は内頚動脈や中大脳動脈主幹など主幹動脈閉塞の場合に採用される。TPAの効果は主幹動脈では期待できない。発症6時間内で先ずTPAを使っておいて、続いて血管内治療を開始する。さらに6時間以後も24時間まで虚血コアの部分が限局しているミスマッチ症例には効果があることが分かっている。
(3)血管内皮障害性のものは急性期に抗血小板薬の使用が必要となる。アスピリン、クロピドグレルが効果あり、2剤使用は効果的である。ただし2剤使用は3週間までが効果があり、90日を過ぎると出血の率を上げると言われている。3剤使用は禁忌である。
(4)塞栓症ではDOACは出血性梗塞の時期を過ぎて使用される。出血リスクが少なければ7日以後使用可である。

投稿者:KUSUat 22:01| 日記