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2019年05月15日

教育講演 糖尿病性腎臓病




糖尿病性腎臓病治療の新機軸  金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学 古家大祐教授 
糖尿病と腎臓病はおおいに関係があります。近年は糖尿病による腎障害で透析に入る患者の割合が従来の腎障害の患者より多くなっています。腎機能はGFRやアルブミン尿で障害を推測します。糖尿病があったり収縮期血圧が140mmHg以上だと障害の進行が速くなります。また脱水、NSAID,PPI腎毒性抗生剤は急性腎障害を引き起こします。この時は尿中NGAL測定が参考になります。クレアチニンe-GFR は便利ですが値のブレがあります。血清シスタチンCはブレがありません。腎障害にはアルブミン尿ではとらえきれないものがあります。この時は尿中4型コラーゲンやL-FABPが予測因子として有効です。糖尿病治療で低血糖は死亡や認知症のリスクを上げます。SGLT2阻害薬は低血糖をきたさず体重、血圧、中性脂肪、LDL-コレステロールを下げます。心不全を減らし、ネフロンロスを抑制し腎機能障害を予防します。ただケトアシドーシスと性器感染には要注意です。フルニエ壊死は会陰部皮膚軟部組織感染です。服用にあたっては脱水には注意ですがのどが乾いたら水を取る程度で問題ないようです。また余分なナトリウムの排泄はしますが過剰なナトリウム排泄はありません。これまでスタチンRA系阻害薬の使用、糖尿病治療薬の開発がすんなりと心不全、腎障害の治療結果に反映されない部分がありました。SGLT2阻害薬は画期的な役割を果たすことになると思います。

投稿者:KUSUat 22:41| 日記