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2019年09月02日

不安・不眠に係る研修会


睡眠時無呼吸症候群と睡眠障害 金沢市立病院呼吸器内科 中積泰人先生 日本人の睡眠時間は世界では最も短い方です。死亡率との関係でアメリカでの調査では6時間半から7時間半のグループが低率を示しました。栄養、運動、よい睡眠が健康づくりの基本です。不眠症には先ず診断が重要です。鑑別疾患では、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、過眠症、レム睡眠行動障害などがあります。不眠症の原因では適応障害性不眠(ストレス)、身体疾患および治療薬による不眠(喘息、GERD、降圧薬、ステロイド、抗パーキンソン薬)、不適切な睡眠衛生、逆説性不眠(実際の睡眠と乖離)、原発性不眠が上げられます。治療には先ず睡眠衛生指導が基本です。就床時刻と睡眠時間にこだわり過ぎない、規則的な起床直後の日光暴露、午後の運動、睡眠環境の維持、睡眠を妨げる物(カフェイン、アルコール、ニコチン等)を避ける。リラックスを心掛ける、が大切です。薬剤では第一選択としてベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用は避けます。また長期にわたる使用は望ましくはありません。薬物減量の際はゆっくりと週間単位以上の感覚で進めることが重要です。 睡眠時無呼吸は1時間に15回以上の閉塞型無呼吸があった場合に診断されます。スクリーニングには簡易睡眠検査、パルスオキシメーターなどを行いますが確定には終夜睡眠ポリグラフ検査をします。なりやすい体型は肥満、短い首、小あごの人です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は高血圧を来たし易く、治療抵抗性高血圧の8割がSASと言われます。居眠り運転も通常の5から7倍と言われます。治療には減量、禁酒、禁煙、睡眠薬の中止、側臥位、枕の高さチェック、マウステープ使用や鼻閉をきたす疾患の治療を行います。一般的な治療ではnasal CAP(鼻マスク式持続陽圧呼吸)療法やマウスピースなどがあります。甲状腺機能低下症や末端肥大症など内分泌疾患でも起きる可能性があります。

投稿者:KUSUat 15:48| 日記