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2020年02月01日

南加賀学術講演


家庭血圧の利活用 帝京大学衛生学 浅山敬准教授 現在全人口に占める65歳以上の割合は28%ですが2040年には35.3%に達するとされています。平均健康寿命は男性71.1歳女性75.6歳と言われています。平均でそれぞれ9年11年の不健康な年月が追加され平均寿命になります。平均健康寿命は世界一です。平均寿命もトップクラスです。介入可能な危険因子として血圧、喫煙、糖尿病などありますが血圧の占める割合が最も大きいのです。血圧は15mmHg下がると意味があるといわれます。薬効判定や長期変動の評価には診察時血圧と比べ家庭血圧が最適であるとの成績があります。診察時の白衣高血圧は高率に持続性高血圧になるといわれますが、元来、服薬通院している人はリスクを持っていることも考慮がいります。仮面高血圧は家で高く診察時に低い場合をいいますが、循環器系イベントが2倍になるとされます。この場合は処方される降圧剤は過少になることも考えられ当然とも思われます。どちらにおいても家庭血圧で診療を行うことが良いと示唆しています。血圧は認容できれば下げるほど効果があると考えます。診察時血圧では140/90家庭血圧では135/85以上を高血圧としています。家庭血圧では115/75を正常としています。血圧の変動では飲酒は血圧を一時下げますが翌朝の血圧は上げます。季節では夏は下がり冬は上がりますが1割の人では逆転もあります。変動は大きくても小さくてもリスクを上げ適度な変動はリスクを下げます。早期、秋からの増量、春からの減薬が良い血圧管理に結び付きます。測定精度は薄手のセーターぐらいであれば保たれると思います。不整脈ではバラツキますので3回で平均をとります。血圧計は上腕式が正確です。高血圧治療は合併症の予防のためです。clinical inertia(臨床イナーシャ)は治療目標に達していないのに治療が強化されていない状態をいいますが、ズルズルとこの状態を続けないよう意識することが重要です。高齢者の血圧をどこまでもっていくかは議論のあるところです。ただかなり高齢になると降圧による効果は小さくなるようで数字に強くこだわるのではなく事情を考え決めていくことで良いと思います。

投稿者:KUSUat 21:27| 日記