2020年02月16日
北陸神経疾患研究会 側頭葉てんかん
側頭葉てんかん:システム神経科学からの新知見 神戸大学脳神経内科 松本理器教授 側頭葉てんかんは海馬硬化症、アルツハイマー病、自己免疫性辺縁系脳炎などで起きてきます。側頭葉底面にも言語野が有り背側は音韻、腹側は意味処理を担います。前下側頭葉は聴覚、視覚、発想、行動、感情などの領域をつなぐハブにあたり意味記憶(知識概念)に関係します。この機能は両側性で相互に機能代償している可能性があります(言語表出は左優位)。しかも動的に変動します。側頭葉底面に電極を置き刺激することで機能局在を推し量ることが可能となってきました。側頭葉てんかんの発作後には言葉が出にくい状況が出現することが知られています。側頭葉てんかんで海馬、扁桃体が腫れぼったい時はステロイドパルス療法を行ったり、焦点性の難治性てんかんは一度パルス療法を試みてから手術に持ち込むことがあります。手術は側頭葉底面から入り内側の必要部分の切除を図り側頭葉の他の部分を温存することで術後機能低下を避けることができます。薬剤ではナトリウムチャンネルブロッカーが効果します。
投稿者:KUSUat 20:40| 日記