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2021年02月06日

血圧は2回目3回目が何故低くなるのか




血圧コントロールには先ず日常の血圧がどの程度であるか測定してみることが大前提になる。高血圧は動脈硬化の進行を加速させ、その結果心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、腎障害のリスクを高めると言われている。そこで毎日血圧を測定し記録することになる。そこで気になるのが血圧は変動することである。時間やいろいろな条件の変化に応じて血圧は変動します。このことはある程度納得はいくのです。では何故血圧は測定の一回目より二回目、三回目と下がっていくのだろうか。私は一回目の血圧が最も実際に近いと考えていました。実際の血圧を高く測定してしまう理由は考えつかないのですが低く測定してしまう理由は想像できたからです。血圧の左右差がある場合、低い側に異常があることを脈無病などの例で知っています。つまり動脈が狭いと血圧は下がってしまうのです。動脈は刺激を与えると縮んでしまうことは知られています。私はマンシェット(腕帯)で腕を締め付けると、それが刺激になり血管が縮み血圧が下がってしまうのだと考えていたのです。それで一回目の測定を本当の血圧と考え参考にしていました。ところがどうも理屈が違っていたようです。NHKの「ためしてガッテン」は時々説得力のある説を紹介してくれます。この番組は半年ほどの期間をとって作成しているのでバカには出来ないと思っていました。先日、手を握ったり開いたりすることで血圧を下げることができる理由を解説していました。血管を圧迫して血流を止めたり圧迫を除去して再開させるような血流の変動が血管内皮からのNO(一酸化窒素)の放出を誘導し、血管拡張を起こして実際の血圧をさげるというのです。番組では手を握ったり開いたり(1分間60回)して血圧の低下を証明していました。マンシェットを巻いて圧をかけ、それから圧を下げていくことは血流の変動を起こし血管内皮刺激する操作になっていると考えると納得がいきます。それで何度も血圧を測ると下がってくるのです。患者さんのなかには何度も測って一番低い血圧を記録してくる方もあります。間違いなのですが何んとなく安心するのだと思います。私は一回目の血圧だけをみて判断していこうと思います。

投稿者:KUSUat 23:02| お知らせ