<< 前のエントリトップページ
2021年03月01日

視覚障害の方にウオーキングストックを




脳血管障害やパーキンソン病の患者さんを診る時、歩行が不安定で転倒のリスクがある方や今後リスクが高くなる患者さんにウオーキングストックを使うように指導しています。  私も患者さんに説明するためストックを持って室内を歩いて見せるのですが、2本のストックを持つと閉眼しても室内を自由に歩くことができると分かったのです。5年前にそのことに気づいたのですが何かに利用できると最初は考えませんでした。  数年前よりニュースで視覚障害の方が駅ホームより転落する事故が繰り返し報じられています。恐らくホームを線路に沿って歩く際に1本の白杖では側方の確保が出来ない時があるのではないかと思いました。  私のウオーキングストックの経験から2本のストックを使うことで左右の確保ができると考えました。  しかし2本のストックを平行に使って歩くと丁度真ん中に細い鉄柱などがあった場合ストックで検知できないので衝突してしまいます。 この解決にはストックを斜めに使うことで検知する方法を考えました。右手のストックで左側の地面をつき、左手のストックで右側の地面をつくのです。互いに外側を回り込むようにストックをもっていくのです。その際、地面をストックで擦過するようにもっていくと地面の凹凸の情報もある程度感知できます。 またより正確な情報を得たい際は2本のストックをこれまでの1本の白杖のように頻回の触知で地面の情況を確認することもできます。2本でおこなうことで外側から内側までの自分が歩く直前の地面の確認ができます。
以上の方法を更にストックを含めて改善すれば視覚障害者の方の屋外歩行のスムーズさと安全性に寄与できるのではないかと思います。この方法を試していただける施設をさがしているところです。

投稿者:KUSUat 17:22| 日記