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2021年07月12日

パーキンソン病診療を考える会 滋賀




進行期パーキンソン病の治療  仙台西多賀病院 
武田篤院長  L-dopaは治療上必須の薬剤で出現前と比べて生命予後をかなり改善しました。ただ単独使用では半減期が短く2時間で効果が無くなったり食事の影響で効果が減弱したりします。現在、代謝を遅らせ血中濃度を保つためカルビドパやベンセラジドとの合剤で使用されています。症状の進行に伴い投与量が300mg〜400mg/日を越えるようになるとウエアリングオフやジスキネジアが出現してきます。神経終末の減少が進みドーパミンを末梢に蓄えられなくなりドーパミン濃度の上下が大きくなり過敏性が出現します。末梢での代謝の別ルートを阻害することで血中濃度を保つための薬剤にエンタカポンがあります。ただ効果時間が短く2時間程度です。そのためL-dopaと同時の服用が必要になります。最近発売されたオピカポンは24時間の効果が期待されます。オピカポンは空腹時に吸収が良いため食事から1時間以上離す服用が必要です。そのため就寝前がお勧めです。またL-dopa服用と重ならないようにします。オフになる時は報酬系のドーパミンも低下するため辛くなったり痛みを感じたりすることがあります。このような場合オピカポン、SSRI、MAOB阻害薬を使うと改善することがあります。オピカポンとL-dopa合剤の組み合わせではベンセラジド配合剤の方が配合比の面で効果が高いように感じています。

投稿者:KUSUat 14:51| 日記