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2023年01月08日

年の初めに(2)BPPV


良性発作性頭位眩暈(BPPV)の予防と治し方 K式減衰法について BPPVは本来は耳鼻科領域の病気です。急な眩暈は脳梗塞、脳出血、脳循環不全でも出現するため耳鼻科領域の眩暈との鑑別が重要になります。メニエル病、突発性難聴では難聴を伴うため耳鼻科領域と判断できます。前庭神経炎は難聴がないので判断が難しい時があると思います。以上の病気では眩暈は持続的ですぐには改善しない傾向にあります。BPPVは耳石膜の障害で起こるとされますが他の眩暈と反応が違います。それは頭部を急にチョット動かすと眩暈が誘発され動かし続けると改善するという特徴です。また動きから眩暈が起きるまで少し時間がかかります。これを潜時といいます。そして動き続けると眩暈は次第に減少してくるのです。これを減衰現象(疲労現象)といいます。また頭位変換(頭を動かす)の機会が多いと治癒が早くなるという傾向があるのです。つまり頭を動かせば眩暈が治っていくのです。しかし頭を動かそうとすると眩暈が出現するという事情で、減衰現象を得るまでに関門があります。眩暈を起こさずに減衰現象を獲得する方法がないか考えてきました。10年前、頭を動かす前に細かく頭を動かし次第に大きく動かすようにすると眩暈を起こさず減衰現象をえることが出来ることを見出したのです。そして患者さんには実際にやってみて説明しました。5年前より、絵入りのパンフレットを作製し患者さんに渡すようにしました。この方法は予防や治療、他疾患との鑑別に使えます。少し頭をひねって「K式減衰法」と命名し、広く利用されるよう今年は働きかけようと考えています。

投稿者:KUSUat 22:48| 日記