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2023年03月06日

内科学会北陸地方会


内科学会北陸地方会 興味のあった演題をまとめてみます。 縫合閉鎖された電動ノコギリによる創部より全身性破傷風に 11日目より開口障害を自覚し14日目の診察では頸部と四肢の筋緊張亢進を認め破傷風を疑われた。集中管理下にテタノブリン、破傷風トキソイド、ペニシリンG1800万単位/日開始した。創部は解放し嫌気性状態を解除した。20日目より呼吸困難になり人工呼吸器管理とした。人工呼吸器は20日間使用し離脱できた。縫合された閉鎖創を伴う開口障害では積極的に破傷風を疑い早期から治療を開始すべきである。また受傷日の時点で破傷風トキソイドを打っておくことが良いと思われる。 ウエルニッケ脳症(W)とMarchiafava-Bignami病(MB)の症例 ウエルニッケ脳症は大量飲酒、炭水化物のみの食事、ビタミンB群の入らないブドウ糖の点滴の継続などで起きるビタミンB1欠乏により引き起こされる。意識障害や眼球運動障害、記銘力障害が出現する。MBはイタリアにおいて赤ワインを大量に飲む人に生ずる神経疾患で日本でも焼酎を多飲する人で見られるという。意識障害や失行が見られビタミンB1欠乏や葉酸の不足が関与している可能性が言われている。MBは画像検査で脳梁の脱髄病変を確認することで診断される。WとMBは合併することがあり、どちらもビタミンB1がかかわっていることになる。また大量飲酒は橋中心髄鞘崩壊をきたす原因でもある。橋中心髄鞘崩壊は低ナトリウム血症を急速に補正する際にも生ずるので注意が必要です。  βブロッカー点眼薬による洞不全症候群  緑内障治療にβブロッカー点眼液が使用されるが恐らく鼻涙管を通じて鼻腔内へ薬剤が流れ吸収され洞不全症候群が生じたと考えられた。著明な徐脈の場合緑内障ではアトロピンは原則禁忌なのでシロスタゾールを使用して対処した。高度徐脈では一時的ペースメーカー使用も考慮すべきと思われた。

投稿者:KUSUat 14:43| 日記