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2023年04月01日

パーキンソン病セミナー


進行期のパーキンソン病の対応 インスブルック大学脳神経内科 Werner Poewe教授 パーキンソン病が進行すると運動能力の変動や不随意運動が問題となってきます。薬の効果が減少したり、効果発現が遅れたり効かなかったりします。早朝に効果が切れたり、効いたり効かなかったりするのです。不随意運動は効果時の舞踏様運動やbiphasic dyskinesias,効果の切れている時のデイストニア等です。最も重要なのはL-dopaの動きです。年齢、投薬量、罹病期間が関係します。L-dopaは半減期が短く数時間内です。このため血中濃度が上下します。患者さんが辛いと思うことの一番に症状の変動があります。L-dopaの濃度を一定に保つことが良いのですが病気が進むにつれて様々な問題が出てきます。?み込みの障害、胃の動き停滞、小腸細菌叢の過剰、小腸におけるアミノ酸による吸収妨害などがあります。L-dopaを代謝するCOMTを抑制するCOMT阻害薬はエンタカポン、オピカポンがありますが後者が副作用が少なく効果も良好であると考えています。オピカポンはL-dopaの血中濃度の上下をなだらかにし効果時間を延長します。また日に一回の服用で一日をカバーします。病気が進行した際L-dopaに何を追加していくかについては私はドパミンアゴニストは副作用の点から使いづらくオピカポンやMAO-B阻害薬を事情に応じて使います。

投稿者:KUSUat 16:01| 日記