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2011年03月08日

死神の精度

伊坂幸太郎さんの『死神の精度』を合評しました。

2010年12月18日、第29回例会を行い、参加者は10名でした。

◆合評「死神の精度」(伊坂幸太郎)
伊坂作品自体が初めての方も何人かいらして、
やはりミステリというよりエンターティメント作家というイメージが強いようでした。
しかし、作品には概ね高い評価、感想がいただけました。
共通の感想として、「テンポがよく読みやすい」「会話が面白い」
「設定の割にSF的ではない」「短編だが、全体を通してミステリになっている」
「生きる執着がなく、シニカルである」などがありました。
他には、「文字だけで音楽や風景が浮かぶ」
「文章が音楽のようなので残酷な描写も生々しくない」など文章の技術を評価する感想もありました。
「成熟社会ならではの作風で、時代小説と比較するとライトで悪い意味ではなくエネルギッシュさがない」という感想には、
確かにクールな情熱と熱い情熱は表現方法が違うので、
自分自身が伊坂作品の後は司馬遼太郎や山崎豊子の大作に挑みたくなるのも然りか、と感じました。
「死神が映画ターミネーターのように徐々に人間性をもってきている」という死神の成長(逆に退行になるのか?)を評価した感想もありました。

投稿者:keita2at 06:38| お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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