2015年5月3日
脳卒中学会 広島 (3)

慢性期抗凝固療法
新規経口抗凝固薬(NOAC)はワーファリンと比べて投与管理が容易である。
ワーファリンはPT-INRを測定し投与量を調節する。PT-INRのコントロールが不良な症例で頭蓋内出血を来たし易い。
NOAC使用症例はワーファリンと比べ頭蓋内出血の頻度は少なく、できたとしても血腫は小さく拡大傾向も少ない。
脳塞栓の予防効果もワーファリンを上まわる。
NOACの投与量は欧米人にくらべアジア人は少ない量にしないと頭蓋内出血の頻度が上がる。
現在NOAC使用に際してはその血中濃度を反映する検査は行われていないがダビガトランはAPTTリバロキサバンはPTアピキサバンは希釈PTが反映するとされている。
振るえの話 (2)

本態性振戦
姿勢性振戦を呈する代表的な疾患が本態性振戦である。原因は不明だが多くは常染色体優性遺伝を示す。
静止時には起きず、動作時にも見られるが主に姿勢性振戦である。
遺伝性の場合は発症年齢は20代から50代である。振るえは1秒間に5回(5Hz)である。
病理学的特徴はまだ確立されてはいない。
アルコール摂取で振るえが改善されるが、薬物療法ではβ-ブロッカーが有効であり、クロナゼパムも有効である。
手術としては視床中間腹側核の破壊術または電気刺激療法がある。
本態性振戦にパーキンソン病を合併しやすいとする考え方があるが、どちらも高齢では罹患率が高いためそのようにみられるのであろう。