2021年05月17日
脳神経外科コングレス 良性腫瘍の治療
良性腫瘍は急激な拡大や浸潤、転移がないことで悪性腫瘍と区別されています。しかし容積の限られた頭蓋内にできるものは大きくなると他神経組織を圧迫して生命や機能に関わるため放置できません。また小さくても重要な神経組織に接しているとその組織の機能障害を引き起こします。治療には手術をしますが放射線が効果するものもあります。聴神経腫瘍や髄膜腫で放射線治療が想定されることがあります。脳神経外科コングレスでも良性腫瘍の治療を取り上げたセッションがありました。第一選択としてほぼ薬物療法を選ぶ腫瘍に催乳ホルモン産生下垂体腺腫があげられていました。パーキンソン病治療に使われる麦角系ドパミンアゴニストでパーロデル(ブロモクリプチン)やカバサール(カベルゴリン)が使われます。腫瘍内出血で急激な腫瘍増大をきたし視神経圧迫視野障害が進行性な時を除いて薬物療法を優先するという考え方でした。やみくもに手術にこだわるのでなく経験を踏まえてより良い選択を目指すのが基本です。
投稿者:KUSUat 15:10| 日記