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2010年8月27日

第19回例会報告(2010年1月20日)

 今回は都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。
 参加者は9名で、
近況報告は
・「CSI」を見ている。「CSINY」と併せて本格好きの人におすすめ。「CSIマイアミ」はハードボイルド。『13の暗号』を読んで暗号に凝っている。乱歩の「二銭銅貨」とか良かった

・『ダークナイト』を見たら、バットマンがいなかったらミステリだと思った。「リベリオン」もあるSFを原作にしていた。パソコンのダウンロードゲームをしている

・『大聖堂は大騒ぎ』ドタバタで面白かった。『自殺じゃない』も読んだ。『バタフライエフェクト』見てみたい。「ホームズ」のDVDを買った

・『殉教カテリナ車輪』を読んだ。『ヴィーナスの心臓』を読んで、「達也が嗤う」ですごいと思った。『1Q84』をブックオフ待ちだったが、友達が貸してくれて読んだ。映画『母なる証明』良かった
・『赤い指』が面白かった。ゲーム「ウイッシュルーム」が良かった。コナンと金田一のコラボのゲームが壮大なトリックで良かった。「CSI科学捜査班」は6まで全部見た。「デスパレートな妻たち」はシリーズが進んでも犯人がわからなくて…。「相棒」も見ている

・「相棒」は見ている。カーのイギリスの洋書を購入した。「ボーンアイデンティティ」の映画が楽しみ。『ミステリージョッキー』が面白い。ロースンの「天外消失」を入れたかったが、版元の関係で入れられなかったと書いてある。しかし早川が『36の短篇』を『天外消失』と改題して出したら売れている
・電子ブックで『地獄の奇術師』を入れて読んでいる。「相棒」元旦スペシャルが歴史ミステリの王道パターンで良かった。歴史物が好きだと実感。『時の娘』を飲み屋でお姉さんに渡してしまい、ネットで買い戻した。飲みに行く時に大切な本を持っていかないように

・『犬の力』上下良かった。『鉄の骨』面白かったが面白かったが、直木賞をとった。自分の面白いと思う本は面白い。本屋大賞候補の『船に乗れ』を読んでいる。『Another』は綾辻さんの自信が文から感じられた。『サンドリヨン』は新人にしてはよく書けている

・『Another』はすごい。ホラーだけど本格。ぶ厚さは感じずサクサク読める。『探偵小説のためのエチュード水剋火』は妄想女と女子高生陰陽師の探偵の話で、怨霊とか出てくるが、伏線張りまくりで、読者への挑戦状があり、論理的に解決するのに驚いた。おすすめはしないけど

今回は短編の合評で、都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。

「謎と論理のエンターティンメント」を実践したなめくじ長屋の捕物さわぎの一編です。

「寝たきりの病人を殺すのに、どうして座敷がいっぱいになるような大きな石で、圧しつぶさなければならなかったのか?」

そこをポイントに解決編の「その五」直前まで読んで、解決を考えてもらいました。

読み終えた人からフランドールのロールケーキを食べて、その後各自の推理を伺いました。

するとさすがミステリ倶楽部の方々、かなり良い線まで推理されました。作者の意図とは違うけど、ほとんど正解でした。面白かった、時代小説は読み慣れていないので読みにくかったなど感想がありました。

その後『黄色い部屋はいかに改装されたか』のポイントを読みました。

「トリック無用論」「ホワイダニット」「トリックよりロジック」「名探偵復活論」といったことを書いたエッセイで、第三の波の作家たちにも影響を与えたのではないかと笠井さんも書いておられました。

この中で「論理的な謎はなにも殺人とはかぎりません。読者が合理的な解決を欲するような謎なら、なんでもいいわけです」と言い切っています。

それって北村薫さんによって人気が出て、今も人気の「日常の謎」派ミステリのことですよね。

モダーンディティクティヴストーリーは「ホワイダニット」だと言い切った都筑さんは、なんと先見の明があったことでしょうか。

ただ犯人側による一発大トリックは印象が強くて残りますが、不可解な状況を論理的に解決するという場合は、よほどでないと印象が薄くなるような…。


投稿者:keita2at 06:43 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(5)

2010年8月24日

第18回例会報告

2009年11月21日(参加者6名)

例会定例の長編読書会の開催に従い、今回は担当者としてジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』を選択しました。

カーを選んだのは、とりあえず今まで自分が一番よく読んだ作家であることと、ミステリー黄金期の代表的作家の一人の世界を、金沢ミステリー倶楽部のメンバーが、どのように受け止めるかに興味を持ったからでありました。

当日ご参加された方々は、8名。季節柄ご家族にインフルエンザに罹られた方がいらっしゃるなど、厳しい状況の中でしたが、和気藹々の雰囲気で始まりました。

さて、皆さんカーをご存知ではありました。さすがにミステリーファンを標榜される方々です。関心の度合いは様々で、特に若い世代の方にはあまり評判が芳しくありません。これは翻訳小説のネックともいうべき、翻訳文章が日本語として「イマイチ」なものが多く、わが国の作家の作品に比べて、文章力が弱く、読むにも気合を込めづらい、という明らかなハンデに起因します。これは翻訳ものの共通の弱点ですが、さらに、幾つかの欠点の指摘がありました。

カー作品は、メインたるべき「ミステリーの謎解き」に至るまでのストーリー展開に冗長な部分があるので、読むのに「だるい」というお説が提示されました。うなずかれる方数名。純粋な謎解きが興味の中心である、という方には、いっそうこの様な「舞台回し」の展開がつらく感じる、というところなど、散々です。

さらに、今回の選択本は、「なんだこの結末」という要素もあり、皆さんには、「読んでよかった」「得した感じ」には程遠い感想を抱かれたご様子です。選者としての力量に、甚だ不十分であることを露呈したところです。申し訳ございません。

やはり、現在の世界に通じる舞台に題材を得ている作品に、関心が深まるのが当然であり、黄金期と称された時期の作品とはいえ、今から70年近く前に書かれたものは、現代世界に舞台を置いた作品だとしても、本日現在の読者にとっては古色蒼然の感はぬぐえないかもしれません。

この視点からすれば、1940年代が黄金期、という事自体が、チャンチャラおかしい話です。やはり、今こそが価値がある、のも分かりますし、まぁ、ノスタルジックな味わいも行き過ぎると不味くなるのは当たり前の話です。

翻訳文章については、早川文庫版の文章のほうが、ポケミスに比べて翻訳時期が今に近いため、言葉遣いなどで、文庫版のほうが読みやすいというご意見もありました。これは私にとっては反対の視点でしたので、改めて私の時代が過ぎ去っていることも痛感した次第です。

いずれにしても、翻訳作品は、日本人作家の作品よりも、会話文章などでの味わいに欠けるなど、ハンデを持つことは皆さん共通の感想と思いました。

『火刑法廷』作品自体は、「超自然」の要素を入れた、カーとしてもチャレンジな一品で、この部分の理解、好み、に分かれるところが大きい作品だということは、今回の会合でも一致しました。

カーの文章は、皆さんのご指摘のとおり、「遊びの多い」文章だと思います。カーは、頭で描く作家だと思います。

その結果、思いついたサービス精神の発露は、書かないではいられない、というところもあるのではないでしょうか。

この傾向は、カーが好む中世を舞台にした作品では、特に顕著に現れます。読者にすれば、「おーい、どこに向かってるんだよ」と言いたくなる脱線振りも散見されます。

『火刑法廷』でも、魔女伝説などの部分や、登場人物の背景説明の部分ではガンガン多方面に展開していく部分がありますので、こういった作風展開は、読者にとっては好みの部分になると思います。自分の感覚に合うか合わないかの作品評価の要素ですね。

骨子の粋を味わうには、「カーは短編こそ見るべきものがある」というご意見を出された方もいらっしゃるくらい

です。これは、私もそう思うと同時に、「体力が自分にあれば、イカツク、しつこい長編も味わえる」とも思うのです。

長々と申し述べましたが、今回の感想としては、「カーは文体では古くなっている。だけど殺人の設定などの要素はさすがだ。」「翻訳もの地位が弱くなっているのは、日本語作品のレベルが高く、翻訳フィルターを通さなければならない部分、魅力が薄れるので、ある意味で当たり前だ」という帰結のように思います。

カーというミステリー作家の認識は、他の作品も含めて論じられるべきでしょうし、その中には、皆さんのフィルターに引っかかるものが有ると思います。またの機会に味わっていただければと思います。

『火刑法廷』自体は、・・・・まぁ、カー好きだけで論じたとしても、是々非々意見は分かれる作品だと思います。

ご参加いただいた皆様、有難うございました。(H氏)

 

(補記)そこまで不満だらけの例会ではなかったです。
『火刑法廷』は悪夢のようなラストに至るまで緻密に組み立てられたカーの代表作です。
それは皆さんの認めるところだと思います。

第三の真相がなかなか面白くて、実際カーが晩年の作品に書いているのはカーの遊び心を感じさせます。

ただ『火刑法廷』自体より、訳のこととミステリが文学者から低い地位にみられているということで話が盛り上がりました。


投稿者:keita2at 22:06 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

金沢ミステリ紀行 完

金石の道入寺には円山応挙が描いたと言われる
飴買い幽霊の掛け軸があります。
 毎晩飴を買いに来る女性が墓地でいなくなるので調べたら
新しい墓の中から赤ん坊の泣き声がして、
幽霊が買ってきた飴を食べて生きていたという話です。
 飴買い幽霊の絵はどこから見てもこちらを見ているようですが、
怖いというより悲しいという感じです。
 ご住職がおいでませんでしたが、
あらかじめお願いしてあったので、
3月と8月しか出さないところ特別に出していただけました。


 一行は醤油の町大野のもろみ蔵で醤油アイスを食べました。
まるでカラメルのアイスのようでおいしかったです。

もろみ蔵には26という数字が書かれていましたが、
大野には昔28の醤油屋があったそうで、
もろみ蔵は26という数字をもらったようです。
しかし現在は後継者の問題とかで
25軒になってしまったそうです。


 大野からくり記念館では、
お茶運び人形と逆立人形の実演を見ました。
 まさに『乱れからくり』です。
 そのあと15時半出発ということで各自記念館を見ました。
 入口に立方体が空に浮いていて横に動いたり、
しゃがんだりすると動いて見えるものがありました。
 近づいていくとあっと驚く仕掛けでした。
 また回転して見える絵もありました。
 中に入ると様々なからくり箱があって
実際に触ることができました。
 そんな中、エレキテルがあり、触るとビリッときますが、
快感でなぜかまた触りたくなり好評?でした。


 からくり記念館を後にして金沢駅で解散しました。
 あっという間の二日間でしたが、
かなり内容のつまった充実した二日間だったと思います。
 金沢にいながらなかなか行けないところや
じっくりと話をきけたところがあり、
本当に純粋に楽しかったです。

また機会があればこんなツアーをしてみたいです。

たとえば能登ミステリツアーでやせの断崖へ行くとか…。

投稿者:keita2at 06:30 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(1)

2010年8月19日

金沢ミステリ紀行4

 金沢ミステリツアー第2日目、10月4日(日)も良い天気でした。

 まず天徳院に行きました。
 ミステリとは関係ないのですが、からくり人形劇があるということで行きました。
 からくり人形劇は思ったより動きが少なかったのですが、
住職の話を聞いていたので話はよくわかりました。
 天徳院の奥には巨大なカラス天狗と天狗とお稲荷さんの顔があり、
その巨大さにビックリしました。
 廊下の柱にもいくつか天狗の面があり、
天狗の面をずらっと並べた斜め屋敷の部屋はさぞかし気持ち悪かっただろうと思いました。
 腹を割って見せている像?もあり気持ち悪かったです。

 次に忍者寺こと妙立寺に行きました。
 ガイドさんがとても上手な女性で、若くてかわいくてよかったです。
 ところどころに落とし穴、隠し部屋、トリックがありツアーの皆さんは大喜びでした。
 特に滑車には異常に反応を示していました。
 忍者寺で殺人事件が起きるという話で盛り上がりました。

 忍者寺を出てから、W坂の上で降りてもらって
W坂を歩いて下りてもらいました。
 吉村達也さんに『金沢W坂の殺人』というミステリがあります。
 もしかして何人か降りてこられないのではないかと思いましたが、
皆さん無事降りてきました。

 昼食は金沢名物グリルオーツカのハントンライスを食べました。
 これは本城英明さんの『金沢加賀友禅殺人事件』の中に出てきます。
 ハンガリーのハンに、マグロのトンで、白身の魚のフライとエビのフライが
オムライスの上にのっているものです。金沢で作られたと言われています。

投稿者:keita2at 07:06 | 日記 | コメント(0) | トラックバック(0)

2010年8月17日

放置したら

3ケ月ほど放置していたら
見られなくてびっくりした。

動作の設定を変えたら
見ることができるようになった。

さぼらずに書かないとね。

投稿者:keita2at 22:29 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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