第19回例会報告(2010年1月20日)
今回は都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。
参加者は9名で、
・「CSI」を見ている。「CSINY」と併せて本格好きの人におすすめ。「CSIマイアミ」はハードボイルド。『13の暗号』を読んで暗号に凝っている。乱歩の「二銭銅貨」とか良かった
・『ダークナイト』を見たら、バットマンがいなかったらミステリだと思った。「リベリオン」もあるSFを原作にしていた。パソコンのダウンロードゲームをしている
・『大聖堂は大騒ぎ』ドタバタで面白かった。『自殺じゃない』も読んだ。『バタフライエフェクト』見てみたい。「ホームズ」のDVDを買った
・『殉教カテリナ車輪』を読んだ。『ヴィーナスの心臓』を読んで、「達也が嗤う」ですごいと思った。『1Q84』をブックオフ待ちだったが、友達が貸してくれて読んだ。映画『母なる証明』良かった
・『赤い指』が面白かった。ゲーム「ウイッシュルーム」が良かった。コナンと金田一のコラボのゲームが壮大なトリックで良かった。「CSI科学捜査班」は6まで全部見た。「デスパレートな妻たち」はシリーズが進んでも犯人がわからなくて…。「相棒」も見ている
・「相棒」は見ている。カーのイギリスの洋書を購入した。「ボーンアイデンティティ」の映画が楽しみ。『ミステリージョッキー』が面白い。ロースンの「天外消失」を入れたかったが、版元の関係で入れられなかったと書いてある。しかし早川が『36の短篇』を『天外消失』と改題して出したら売れている
・電子ブックで『地獄の奇術師』を入れて読んでいる。「相棒」元旦スペシャルが歴史ミステリの王道パターンで良かった。歴史物が好きだと実感。『時の娘』を飲み屋でお姉さんに渡してしまい、ネットで買い戻した。飲みに行く時に大切な本を持っていかないように
・『犬の力』上下良かった。『鉄の骨』面白かったが面白かったが、直木賞をとった。自分の面白いと思う本は面白い。本屋大賞候補の『船に乗れ』を読んでいる。『Another』は綾辻さんの自信が文から感じられた。『サンドリヨン』は新人にしてはよく書けている
・『Another』はすごい。ホラーだけど本格。ぶ厚さは感じずサクサク読める。『探偵小説のためのエチュード水剋火』は妄想女と女子高生陰陽師の探偵の話で、怨霊とか出てくるが、伏線張りまくりで、読者への挑戦状があり、論理的に解決するのに驚いた。おすすめはしないけど
今回は短編の合評で、都筑道夫さんの「小梅冨士」を読みました。
「謎と論理のエンターティンメント」を実践したなめくじ長屋の捕物さわぎの一編です。
「寝たきりの病人を殺すのに、どうして座敷がいっぱいになるような大きな石で、圧しつぶさなければならなかったのか?」
そこをポイントに解決編の「その五」直前まで読んで、解決を考えてもらいました。
読み終えた人からフランドールのロールケーキを食べて、その後各自の推理を伺いました。
するとさすがミステリ倶楽部の方々、かなり良い線まで推理されました。作者の意図とは違うけど、ほとんど正解でした。面白かった、時代小説は読み慣れていないので読みにくかったなど感想がありました。
その後『黄色い部屋はいかに改装されたか』のポイントを読みました。
「トリック無用論」「ホワイダニット」「トリックよりロジック」「名探偵復活論」といったことを書いたエッセイで、第三の波の作家たちにも影響を与えたのではないかと笠井さんも書いておられました。
この中で「論理的な謎はなにも殺人とはかぎりません。読者が合理的な解決を欲するような謎なら、なんでもいいわけです」と言い切っています。
それって北村薫さんによって人気が出て、今も人気の「日常の謎」派ミステリのことですよね。
モダーンディティクティヴストーリーは「ホワイダニット」だと言い切った都筑さんは、なんと先見の明があったことでしょうか。
ただ犯人側による一発大トリックは印象が強くて残りますが、不可解な状況を論理的に解決するという場合は、よほどでないと印象が薄くなるような…。
投稿者:keita2at 06:43 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(5)