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2012年4月26日

今年度の予定

金沢ミステリ倶楽部は、金沢で活動する推理小説ファンの会です。
ミステリだからUFOとか、宇宙人とか調べるのかと聞かれることもありますが、
それは違います。
基本推理小説を読んで合評するのがメインです。
しかしその前の近況報告が一番盛り上がっています。
最近読んだ本や、見たドラマ・映画、したゲームなどを各自が語ります。
そこで聞いた中から次読もうと思うこともあり、
いろいろな情報が得られます。

ちなみに今年度の予定です。
次回の予定 5/19  第2回(46)  短編合評『黒後家蜘蛛の会 』(アシモフ)
6/16  第3回(47)  長編合評『 ある閉ざされた雪の山荘で 』(東野圭吾)
7/21  第4回(48)  長編合評『 Xの悲劇 』(エラリー・クイーン) 
8/18  第5回(49)  短編合評
9/15  第6回(50)  長編合評
10/20 第7回(51)  短編合評
11/17 第8回(52)  長編合評
12/15 第9回(53)  短編合評
1/19  第10回(54) 今年のペストミステリ+短編
2/16  第11回(55) 短編合評
3/16  第12回(56) 長編合評&打ち上げ

この予定が時々ツアーや映画鑑賞に変更になります。
打ち上げでは、サイン本やお宝の洋書など放出されたビンゴがあります。
また新年会か忘年会も最近しています。

現在メンバーは大学生から40代に、特別会員を加えて、22名です。


投稿者:keita2at 05:31 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月24日

桜散る公園で

4月21日(土)に今年度最初の例会を開催しました。
参加者は9名でした。
3月に発行した会誌の合評会でした。
会誌は12本の創作と、8本のエッセイが入っています。
参加者の作品を中心に話が交わされました。
その際基本的な文章の書き方についても話がされ、
勉強になりました。
例会後、桜散る公園でメンバー差し入れの善光寺の甘酒を
飲みました。
アルコール分はゼロでしたが。
もう一週間早ければ、桜満開でしたね……
次回5月の例会は、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』の一編を読んで合評します。

投稿者:keita2at 06:22 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月22日

東野圭吾のミステリへの愛

東野圭吾はミステリをとても愛している証拠として、『白夜行』の帯に関するエピソードがあります。
『白夜行』の初版の帯には、
「ミステリを超えた畢生の大叙事詩」と書いてありましたが、
次の版以降「ミステ リの枠を広げた」と訂正されています。
これは「ミステリを超えた」では、ミステリがまるで他のジャンルに比べ下に見られていることを証明しているかのようで、
あくまでミステリ作家としてのスタンスを貫き通したい氏には、承伏できかねる宣伝文句であったからです。

投稿者:keita2at 06:01 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月21日

東野圭吾作品の映像化

東野圭吾作品は次々とドラマ化・映画化されています。
『プラチナデータ』も嵐のニノで映画化されます。
どうして東野圭吾作品が次々映像化されるか、その理由は?

「原作にとらわれず、動機でも人物設定でも自由に変えてください]と言われていたが、一つだけ変えないでほしいといわれたのが、「トリック」だった。(『容疑者Xの献身』映画プロデューサー)
「映画化を任せた以上私は、監督、脚本家、さらには役者を信じることにしている。誰もがいいものを作ろうとしているはずだからだ。わざわざ面白くないものを作ろうとは誰も思わない。熟考の末、最も面白いと思って作ったストーリーが原作と違っていてもかまわない。むしろそれは望むところだ」(東野圭吾)

作者の柔軟さのおかげなのでしょうか。
あとはもちろん、集客が見込めるからですが。

投稿者:keita2at 07:57 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月20日

東野圭吾と本格ミステリ論争

 直木賞を受賞し、当時のミステリの賞を総なめにした東野圭吾の代表作『容疑者Xの献身』は2005年8月末に刊行されました。
 この作品に対して、「
容疑者Xの献身」が本格ミステリか、どうかという「本格ミステリ論争」が起こり、2006年に推理作家、評論家たちが論争を繰り広げました。

ちなみに本格ミステリとは
「主に犯罪に関する難解な謎が、徐々に解かれていく経路の面白さを主眼にした小説」という江戸川乱歩の有名な定義でことたりる。
「経路の論理的な面白さや、作者の詐術や伏線の妙を」と補足してもよい。
(「赤い鳥の囀り」 有栖川有栖 ミステリマガジンno.606)

ところで東野圭吾本人は、「たくさんの勲章をいただいた。本格論争の材料になったようだが、それもまた勲章と考えることにしている。自分としては、本格ミステリかどうかは、読者各自が決めればいいと思う」
とあっさりしたものでした。


投稿者:keita2at 06:24 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月19日

金沢ミステリ倶楽部のお知らせ

今週21日(土)13:30から金沢ミステリ倶楽部例会を開催します。
メンバーを募集中で、ミステリが好きで50歳未満の方なら
誰でも大丈夫です。
見学だけでも歓迎しますので、連絡をください。
金沢だけでなく、石川県内、富山・福井の方もOKです。

投稿者:keita2at 18:55 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

東野圭吾と金沢の「茶房放課後」

東野圭吾のデビュー作で乱歩賞受賞作の『放課後』は、金沢と深い関係があります。
『たぶん最後の御挨拶』のp30に
「小説のタイトルは『放課後』に決まっていた。旅行で金沢へ行った時、駅の近くにそういう名前の喫茶店があったのだ」と書かれています。

昭和50年代の職業別電話帳で調べて「茶房放課後」が此花町にあるということがわかり、地図を調べました。
昭和50年はゲームセンターでしたが、51年には「茶房放課後」となっています。なお60年には工事中になりますが、ここに「放課後」は移動しています。61年の地図まで同じ場所にありましたが、62年の地図になると駐車場になっています。
『放課後』は1985年、昭和60年の作品で、1984年以前に見たということは、きっと東野圭吾は「茶房放課後」を見たのだと思います。
現在この場所には、ライブワンがあります。その「さかもと」という書店に位置に昔「茶房放課後」がありました。

東野圭吾は金沢と何か因縁があるのか、加賀恭一郎は、自己紹介で『加賀100万石の加賀です』と言います。

詳細地図はこちら

投稿者:keita2at 06:25 | お知らせ | コメント(3) | トラックバック(0)

2012年4月17日

東野圭吾のすべて

いまや出す本、出す本ベストセラーになる東野圭吾について語り合う会をしました。
東野圭吾のファンの人は、東野圭吾をミステリ作家だと思っていなくて、どうして自分の好きな東野圭吾は殺人の話を書くのだろう、と思ってるのだと、ある方が言っておいでました。

2012年2月18日、金沢ミステリ倶楽部第43回例会を行い、メンバーの参加者は10名でした。

東野圭吾は高校生までまったく本を読まない少年でしたが、ミステリファンの姉から小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』を渡されて、そこからミステリにはまりました。
次に松本清張の『高校殺人事件』を読むと、高校の時に清張はほとんど読んでしまったそうです。
就職して二年目に、長井彬の『原子炉の蟹』の後ろに乱歩賞の応募要項があることをみつけて、そこから乱歩賞への挑戦が始まりました。
3度目の正直で『放課後』で受賞しました。
この『放課後』というタイトルは金沢に旅行で来た時に、駅前にあった喫茶店の名前からつけたそうで、それがどこにあったのか、調べてみました。
昭和50年の住宅地図には「茶房放課後」という喫茶店が出ていて、現在のライブワンの「はしもと」という本屋の場所にあったことがわかりました。
『放課後』で乱歩賞を受賞したのは良かったのですが、その後出す本出す本、売れなくて、一年間本を出さないことにし、ようやく出したのが『秘密』で、話題になり、映画化もされました。直木賞候補にもなりましたが、落選し、その後『容疑者Xの献身』で受賞するまで5回も落選しました。それには某選考委員の私怨があったそうです。
『容疑者X』は「このミス」など様々なタイトルを総なめで五冠を達成しましたが、『容疑者X』は本格か否かという論争が起きました。
多くの推理作家や書評家を巻き込んで論争されましたが、東野圭吾は「それも勲章。本格かどうかは読者が決めればいい」と涼しい顔でした。
「このミス2005」のインタビューで
「「東野圭吾」という名前を信頼できるブランドにしたい。別に大ブームにならなくてもいいから、「こいつの小説を買っときゃ損はしないだろう」という信頼性を勝ちとりたいなと思っています」と語っていましたが、それ以来ずっと東野圭吾ブームは今でも続いています。

投稿者:keita2at 14:47 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月16日

2011年のベスト

2011年のベストミステリということで、2011年に読んだミステリ・コミック、見た映画・ドラマ、やったゲームなどそれぞれのメンバーのおすすめ作品をあげて話しました。
2012年1月21日第42回例会で、参加者は15人でした。
それぞれコメントもあったのですが、タイトルだけ羅列します。

『鍵のかかった部屋』 貴志祐介

「幽霊妻」 大阪圭吉

『狐火の家』 貴志祐介

『長い廊下のある家』 有栖川有栖

「邪馬台国はどこですか」 鯨統一郎

『ゴーグル男の怪』 (ドラマ)島田荘司

『絹靴下殺人事件』 アントニーバークリー

『貴族探偵』 麻耶雄嵩

『谷崎潤一郎犯罪小説集』

『モーツアルトの子守唄』 鮎川哲也 

『空飛ぶ馬』 北村薫

『ビブリア古書堂の事件手帖ー栞子さんと奇妙な客人たち』 三上延

『春期限定いちごタルト事件』 米澤穂信

『少女たちの羅針盤』 水生大海

『ビブリア古書堂の事件手帖2栞子さんと謎めく日常』 三上延 

『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

『世界は密室でできている。』 舞城王太郎

『エンドレス・ガーデン』 片理誠

『ウエディングドレス』 黒田研二

『黒い仏』 殊能将之

『フリッカー式』 佐藤友哉

『密閉教室』 法月綸太郎

『この闇と光』 服部まゆみ

『貴族探偵』 麻耶雄嵩 

処刑人??(DVD)

幻夜(DVD)

『インザプール』&『ララピボ』

ミタさん(ドラマ)

インセプション(DVD)

谷崎精二のポオ小説全集

創元文庫のカーもの5点(死時計、緑のカプセル、殺人者と恐喝者、幽霊屋敷、帽子蒐集狂)の読み返し、乱歩作品拾い読み(魔術師、吸血鬼、初期作品数点)

森英俊訳の『これが密室だ』(新樹社・1997年)

『更年期少女』『孤虫症』 真梨幸子

『ふたり狂い』 真梨幸子

『ルームメイト』 今邑彩

『謎解きはディナーのあとで』 東川篤哉

『二流小説家』 デイヴィッド・ゴードン

『卵をめぐる祖父の戦争』デイヴィッド・ベニオフ

『毒入りチョコレート事件』 アントニイ・バークリー

『小説作法』 スティーヴン・キング

『乱れからくり』 泡坂妻夫

『三狂人』 大阪圭吉

『本棚探偵の生還』 喜国雅彦

『贖罪』 湊かなえ

『少女たちの羅針盤』 水生大海

『鞄図書館』 芳崎せいむ

『ユリゴコロ』

『痺れる』

『彼女がその名をしらない鳥たち』

『9月が永遠に続けば』

野崎まど『(映)アムリタ』

湊かなえさんの『花の鎖』

「相棒9」「新9係」「ハンチョウ」「科捜研の女」「美しい隣人」「ジウ」「家政婦のミタ」

「砂の器」映画「アンフェア」「八日目の蝉」「探偵はBARにいる」「ステキな金縛り」「SP」2作

ゲームの「トレジャーリポート」

アニメ版の「カイジ」 

池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』

池井戸潤 『下町ロケット』…WOWOWドラマ版

西尾維新 『化物語』

奥田英郎 『ララピポ』

今野敏  『果断 隠蔽捜査2』

有川浩  『クジラの彼』

東野圭吾 『夜明けの街で』

桜庭一樹 『私の男』

司馬遼太郎『燃えよ剣』

京極夏彦 『ルーガルー』

アニメ  「涼宮ハルヒの憂鬱」

奈須きのこ『空の境界』

吉田修一 『悪人』

北側歩美 『金のゆりかご』

有栖川有栖の『山伏地蔵坊の放浪』

『ビブリア古書店の事件貼』 三上延

『ビブリア古書店の事件貼2』 三上延

『写楽閉じた国の幻』 島田荘司

『ゴーグル男の怪』 島田荘司

『青年のための読書クラブ』 桜庭一樹

『完全恋愛』 牧薩次

『葉隠三百年の陰謀』 井沢元彦

『ドS刑事』 七尾与史

『卵をめぐる祖父の戦争』 デイヴィッド・ベニオフ

『二流小説』 デイヴィッド・ゴードン

映像作品は「少女たちの羅針盤」と、「少女には向かない職業」

PD・ジェイムズの『女には向かない職業』 

『民宿雪国』 (樋口毅宏 祥伝社)

『ユリゴコロ』(沼田まほかる 双葉社)

『七つの海を照らす星』(七河迦南東京創元社)

『刑事コロンボ 完全捜査記録』(宝島社文庫)

映画「恋の罪」(監督/園子温)

映画「悪魔を見た」( 監督/キム・ジウン)

映画「アウトレイジ」(監督/北野武)

映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(監督/バンクシー)

映画「今度は愛妻家」(監督/行定勲)

ドラマ「相棒」

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』

古野まほろ『天帝のあまかける墓姫』

歌野晶午『密室殺人ゲーム マニアックス』

ジョンスラデック『見えないグリーン』

ジェフリーディーヴァー『ウォッチメイカー』

東野圭吾『容疑者Xの献身』

東川篤哉『放課後はミステリーとともに』

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』

七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』

依井貴裕『夜想曲』

小野不由美先生の「ゴーストハント」

『折れた竜骨』 米澤穂信

『ユリゴコロ』 沼田まほかる

『名探偵に薔薇を』 城平京

『雪が降る』(藤原伊織)

『連続殺人鬼カエル男』(中山七里)

『さよならドビュッシー』(中山七里)

 『ゲームの名は誘拐』(東野圭吾)

『セカンド・ラブ』(乾くるみ)

戸板康二の中村雅楽シリーズ。

都筑道夫『雪崩連太郎全集』

渡辺温 「父を失ふ話」、「可哀相な姉」。

夢野久作「いなか、の、じけん」。

ヘレン・マクロイ 『割れたひづめ』『歌うダイアモンド』 

『アルバトロスは羽ばたかない』(七河迦南)

『丸太町ルヴォワール』(円居挽)

『マスカレードホテル』(東野圭吾)

『開かせていただき光栄です』(皆川博子)

『二流小説家』(デイヴィッド・ゴードン)

『スイス時計の謎』(有栖川有栖)

『放課後探偵団』

『結末のない事件』(レオ・ブルース)

『フライアーズ・パードン館の謎』(フィリップ・マクドナルド)

『太陽黒点』(山田風太郎)

『ゼロの焦点』(松本清張)


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2012年4月15日

おしゃべりサロン「乱歩の時代の挿絵師たち」

平野氏によるおしゃべりサロン「乱歩の時代の挿絵師たち」を第41回例会としました。なお竹中英太郎が名付け親で金沢に嫁に来たという方がいらしていて、参加者一同仰天しました。すごいサプライズでした。(2011年12月17日)

投稿者:keita2at 06:15 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月13日

能登ミステリツアー

石川県のミステリファンとしては、松本清張の『ゼロの焦点』の舞台となった「ヤセの断崖」を見なければならないだろう、ということで、能登ミステリーツアーを企画しました。それに穴水での牡蠣フルコースをセットにしました。

11月19日第40回例会として開催し、参加者は4名でした。

能登ミステリツアーは、2年前の構想では「コスモアイル羽咋」と押水の「モーゼの墓」を加えていたのですが、「コスモアイル羽咋」は入館料のわりには…、「モーゼの墓」はたどり着くまでがたいへん、というご意見をいただき、外してしまいました。
さて車で金沢を9時に出発すると、下道を通って一路「ヤセの断崖」に向かいました。あいにく雨が降っていましたが、道中の紅葉はとてもきれいでした。
11時過ぎには「ヤセの断崖」の駐車場に着き、地震後整備されたと思われる通路を歩いていくとヤセの断崖に着きました。柵があって、最初左手向こう側に見える崖が「ヤセの断崖」かと思いました。実際アベックが向こう側の崖をバックに写真撮影をしていました。やがてNさんが到着すると、柵より先が「ヤセの断崖」らしいとわかりました。
柵の向こうに行かないのが鑑賞マナーであるとの看板があり、残念ながら行けないと思いましたが、女性お二人はチャレンジャーで、(以下省略)。看板に書かれたことは守りました、(と報告には書いておこう)。記念撮影をしましたが、実はもっと笑える写真が(自粛)。
辻口シェフのケーキよりおいしいとNさんが友人から聞いたケーキ店「シュクレ・ブラージュ」に行きました。
ケーキ店「シュクレ・ブラージュ」は、かわいらしいケーキが多く、お客さんが次々と来ていました。
Nさんとお別れすると、Dさん車先導の元、穴水の「もりそば」に向かいました。途中工事のため道路を完全に封鎖していて「もりそば」にたどり着けないかと思いましたが、迂回路があり、13時10分頃には到着しました。
座敷で牡蠣を焼ける炭火のいろり?があり、各自ザルみたいな入れ物に盛られた牡蠣を焼きました。牡蠣は焼けると口を開け、手袋をしてナイフでさらにこじ開けて食べますが、熱い汁が手袋を通して手について熱かったです。問題は、焼けていても開かない牡蠣もあり、無理矢理こじ開けるとすでに焦げていることがありました。牡蠣は焼きたてで、おいしかったです。まほかるとドラマの話が交わされている中、あっという間に男性陣の牡蠣はなくなっていました。能登ワインはなかったのですが、日本酒はありました。焼き牡蠣の他には、もずく、牡蠣めし、そば、たくあんが出ました。満腹でした。
来年は香箱蟹ツアーとか、氷見とれたて魚ツアーとかがいいという話が出ました。そうなるともはやミステリ倶楽部ではなく、グルメ倶楽部ですが…。日帰りでは酒が飲めないので、合宿という話もあり、富山の船でしか渡れない宿に合宿したらいいという話が出ました。ミステリ倶楽部が船でしか渡れない宿で合宿したら必ず事件が起こるはずです。
ご参加いただきました皆さん、有難うございました。
なお、帰宅して「シュクレ・ブラージュ」のモンブランとロールケーキを食べましたが、クリームがとろける、とろける、おいしかったです。金沢のおすすめのケーキ店番外に載せたいく
らいでした。


投稿者:keita2at 23:05 | その他 | コメント(0)

2012年4月9日

緑のカプセルの謎

不可能犯罪の巨匠ディクスン・カーの『緑のカプセルの謎』を読みました。不可能犯罪というより、心理トリックを扱った探偵小説です。
2011年10月15日、第39回例会で合評し、参加者は8名でした。

◆合評「緑のカプセルの謎」(ディクスン・カー)(文責H)
今回は、1930年代のカー作品を選択して、皆さんに読んでいただくことにしましたが、読後の感想はいろいろ伺うことができて、担当者としてもうれしかったです。
さて、読み合わせの対象は、ディクスン・カーの「緑のカプセルの謎」です。
みなさんカーの長編を読む機会は少ないという事で、それぞれの理由を挙げていらっしゃいました。まずは、「長いし、事件が一つなので、チョウめんどい」というご意見や、「外人の名前ばかりが出てくるので、すじが分からなくなっちゃうんじゃないかな」というご意見。このあたりが今風でないところで、昨今のミステリー界の共通の「翻訳ものは受けない」世評を映し出していると思われました。
しかし、今回の皆さんからは、外人の名前系のマイナス意見は、「初めはそうだったけど・・・」という但し書き付きでした。登場人物が多くないことや、話の筋が素直な流れで、あちらこちら飛んだり戻ったりという流れになっていなかったので読みやすかった、というご意見に集約されましたので、担当者としては一安心といったところでした。
作品についての感想は、「時代を感じることはなく、よくまとまっている」や、「謎が提示されて、それを解いていく形になっている」といった、カー作品をお褒めいただくコメントが多かったので、これまた安堵するところでした。
また、本作は、カーの代名詞でもある「密室殺人」ではなく、
どちらかといえば地味な仕上がりの「心理トリック」ものでしたので、そのあたりが皆さんにどう受け止められるか、というところが気になっていましたが、おおむねそういう点のご指摘はなく、これまた無事通過という感じ。安どのため息が続きます。
会合は、ディクスン・カーのその他の作品を読んだ人の意見を募るところになり、皆さんからいろいろなご意見が出てきました。
「カーは、いろいろな知識を埋め込んでいくので、長編は長い感じを受ける。だから短編の方が好きだな〜。」
「この本にも出てくるけれど、途中で知識の披露(密室の講義だったり、ここでは毒殺の講義だったり)があるので、カーという人は知識が深いんだね。」
「クイーンは、謎ときに集中していくけれど、カーは、もっと読み物的な文章も加えてるよね。」
「作中の人物では、ハウスキーパー的な存在の人たちに対しては、やけにあっさりとしか触れていない。もう少し描写があってもいいんじゃないの。」
などなど。皆さん幅の広い視点からのご指摘です。特に最後に挙げましたコメントは、若い年齢のメンバーからで、やはり時代の違いがあるのでは、という感慨を受けた次第です。よく、黄金時代ミステリー(クィーンやクリスティの活躍していたころを、こういう表現でまとめることが多くあるので)は、今の作品から比べると、確かに職業的な身分蔑視の傾向があるようで、おおむね「家の家政婦や調理人、ホテルの従業員などは目に触れない存在」というひとまとめの対象にしていることが多いようです。よって、有名なミステリー定義の中にも表れる、「女中たちは犯人になりえない」といった定義内容の必然になっていたのでしょう。ハウスキーパーなどの雇い人の意見など、警察も探偵も気にもしないんだ、といった具合ですね。こういう懐かしい知識の披露も、30年代作品を読んでいく場合なればこそ、と思った次第です。今ではテレビドラマでも「家政婦は見た」という視点が作品テーマになっている時代ですからね。

投稿者:keita2at 18:01 | その他 | コメント(0) | トラックバック(0)

2012年4月8日

三本指の男

以前ATGの「本陣殺人事件」を見ましたが、
それ以前の片岡千恵蔵が背広姿の金田一耕助を演じた「三本指の男」を見ました。

9月17日金沢ミステリ倶楽部第38回例会を開催し、参加者は10名でした。

●途中寝てしまった。○○を忘れていた。
●中尾彬の「本陣殺人事件」を前回観なかったが、何十年前かに深夜番組で観た。古文書の文章の続きがどうしてわかったのか不思議。原節子、きれいだった。寝ているのに眼鏡をしていた。杉村春子は若いのか年寄りなのかわからなかった。後半いらないかも。
●『本陣殺人事件』を読んだが、名前と顔が一致しなかっ
た。○○にビックリした。ラストあっけにとられているうちに終
ってしまった。
●○○○が変装してたのにビックリした。廊下での飛ばしあいに笑った。原節子すごいと思った。あまりおどろおどろしく
なかった。
●○○○、こんなのもありかと思った。二人死んでいるのにみんなあっさりしている。おばさんだけががっかりしていた。
●中尾彬の現代版には違和感を覚えたが、より横溝正史らしい感じがした。着物ではないけど、片岡千恵蔵の金田一はより金田一らしい気がした。賢蔵の内面が描かれていて、自殺の推理が理解できた。○○○○にあら、と思った。
●雪降ってないくらいで「本陣」らしいと思った。コトジとか証拠を素手で掴むんじゃないと思った。眼鏡の人の髪型がどうなっているのか不思議だった。犯人が何をしたかったのかわからない。○○○○○。廊下で投げるシーンが面白かった。○○○の変装にビックリした。
●片岡千恵蔵が6本も金田一の映画を作っているのを知らなかった。途中で寝てしまったが、クライマックスは目が覚めた。横溝風が出ていた。昔の映画は大スター中心でカメラを回すので、片岡、原のアップが多かった。現場の家がセットでもしっかり作ってあった。懐かしい雰囲気だった。宮口精二が相変わらず渋かった。
●前回は中尾彬のジージャンで、今回は片岡のスーツでビックリした。最後廊下のシーンが笑いそうだったが、他の人は笑ってなかったのでこらえるのがたいへんだった。巴投げがすごかった。警察官が弱すぎ。原作が記憶から消えてしまった。
●○○○が変装しているとは思わずビックリした。凶器を運ぶシーンが忠実に再現されていて良かったが、金田一がこれは自殺ではないと断定したのがよくわからなかった。
● ○○○。(結末について示唆にとむご意見)
ちなみに好きな金田一耕助の俳優を聞いたところ、石坂浩二7
票、古谷一行1票でした。石坂浩二も古谷一行も観たことないメンバーが数人いて、「若いねぇ」との声が

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2012年4月7日

仮面舞踏会

栗本薫さんといえばグインサーガシリーズで有名ですが、
名探偵伊集院大介が活躍するミステリもマニアックな人気があります。
その伊集院探偵が活躍する『仮面舞踏会』を合評しました。
合評したのは、2011年8月20日金沢ミステリ倶楽部第37回例会で、参加者は14名でした。


この作品を提案したのは、現在のネット社会について当時としてはかなり早く取り上げた作品であり、伊集院大介という名探偵を知っていただくにはちょうどいい作品かと思った次第でありました。
栗本女史は謎解きや理論よりも、その文体や雰囲気を中心に描いていました。したがって、本格好きな方にはかなり不満の残る作品であったかもしれません。しかしながら、広義のミステリとしては、伊集院大介という絶対的な名探偵が解決していく過程を見るのは、まるで水戸黄門(笑)を見ているようで、大変に心惹かれる作品だと思うのは私だけだったでしょうか。後味はともかくとして。
○パソコンの2chをみている。人の悪口しかない。あまりいい印象がない。ウンチクの印象が強い。拒食症の患者さんはすごい。したがってこの話は有りうると思う。(人のせいにするな
ど)伊集院大介の博識はすごい。
○久しぶりに(この本を)読んだ。パソコン通信の初期の雰囲気がいい。ヲタク自身から自分の事を書いているのがむずがゆい。この事件はどう収束するのだろう(この小説の後日談的に)と感じた。大介のイメージは秀才でひょろっとしたイメージ。稔クンからのイメージは感情が爆発するような感じをうけた。
○チャットは楽しいけどやめられます(ご自分の体験談も交えて)。やめた方がいいです。大介は普通の探偵の感じがした。ぶっちゃけ解説がウザイ。
○この作品は初めて読んだ。ヲタクという表現…(すいません記憶がありません)。チャットの速度感を感じていた。昔は「相手は誰だろう」という外へ向かう感情でネットをしていたのだが、いまは「私は○○です」と内向きの感じでネットが進んでいる。歌野正午「密室殺人ゲーム」など現実とネットの二重構造を書いた作品もある。
○二人のヲタクの会話でつまずいた(面白くなかったってことですか(´;ω;`)…しかし)夫は伊集院大介に感心した。
○ヲタクの人たちはまめなんだろうか?(このミステリは)言葉だけで事件が解決してしまった。言葉のマジックをみているようだ。
○空想と現実の区別がつかない状況での殺人。いまよくある犯罪だといえばそうかも。一人しか殺されないので、そういう意味でも姫はいったいどうなったのか。つかみどころのない感じ
がする。
○読んだのは二回目。どうして稔君はダフネがいいとおもったのかな?ちょっとおかしい人を感じたのか?ぶっちゃけ何この気味悪いヲタク!と感じた。なんだろう?この世界は。主人
公とか周りの人が伊集院を讃えるのは栗本の手法かな。
○絶版で手に入れられず読めなかった。みんなの話を聞いて読みたくなった
○栗本さんのミステリは初めてかも。パソコン通信とはなんぞや。フロッピーディスクに(データを)落とした時点でついてはいけないかも(技術が古すぎて)。(伊集院は)ネットの状況だけでいろいろと決めつけていいのか?黒幕が○○として、主人公がその決着をつけないままなのはいかがなものか。
○栗本は天狼星でやめた。チャットで相手に感情移入してしまう。自分が手を下さずに殺人(自殺なのかもしれないが)というのは面白い。チャットで皆を集めて「さて」と言い。
○解決していないと思う。伏線が貼られていたはずなのに多くがそのまま残されている。ダフネさんは途中から別人のようになっている。別人オチかと思ったらそうではなかった。心理分析をされる手管がちょっと苦手。ロジックやトリックを解いて欲
しい。
○あんまり説得力がなかった。どろどろしたものも好きじゃない。ミステリなんだから、証拠とかなんとかあって解決だと思うけれど、よくわからないまま終わった。
以上…、あ、かなり批判的な意見が多く、担当者としてはかなり気まずい。あえて言うならば、前述もしたけれど、ミステリのなかに水戸黄門的なものがたまにあってもいいじゃないですか、と言う感じです。伊集院が解決していく様、ある意味ウザイですが、それはまあ、西洋のミステリにもあることなので、よしとしてください。読後感が悪いのは否定しませんが、伊集院が登場することはそもそも、まるでウルトラマンが登場して怪獣を退治するのに近いものがあるのだと、割り切って読むと、かなり楽しめます。
うーん、苦しい。
最後に伊集院シリーズはそのほとんどが本格ではありません。また人間の暗いところを描くものがほとんどです。つまり、現実に起こりうるかもしれない事件を書いているのかもしれません。
現実の殺人はその全てが暗く、後味が悪いものです。西洋のミステリ、特に本格ものは非現実な世界を描き、社会派は警察組織を、あるいは犯罪組織を描いてきました。伊集院は我々にだって起こるかもしれない、日常の事件を見せてくれているのかもしれません。
(といろいろ弁護してみました 文責 A・K)


投稿者:keita2at 09:00 | お知らせ | コメント(0) | トラックバック(0)

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